昭和
〜番外編〜

今に生きる、粋な人、情緒豊かな人

ある人(歯医者さん)が、お孫さんを連れて品川のお祭りに行ったんだって。
んで、まだ小さなお孫さんに500円だけ持たせて、「なんでも好きなもの買っておいで」と。

魅力的な出店が立ち並ぶ中、その子が興味を抱いたのは、『飴細工』のパフォーマンス
をするおじさん。なんでも、浅草から来たテキヤさんだとか。


さすが職人芸、見事な手さばきで、見る見るうちに飴が鳥になったりアニメヒーローになっ
たりする。夢中になって見上げているその子。
でも、その飴細工は材料も特別なので、一個500円以上といういい値段のものばかり。

その様子をみて察したのか、飴細工のおじさん、「坊や、買いたいのかい?」と。
「うん。」
「そうかい。じゃあ、おじさんはまた来年も来るからね。大きくなったら買いにおいで。そした
ら、立派な孔雀を作ってあげよう。」

この不景気に粋な計らいじゃないの!儲けりゃいいってもんじゃないという心意気が嬉しい
ね。お孫さんのいる年齢の"おじさん"は、その子の姿に自分の孫を重ね合わせていたのかも。
とにかく、近所の子と接しているような人情深さ。
ほんとの地元じゃなくたって、こういう接し方が出来るといいよね。紙芝居屋も見習わなきゃ!


昭和の頃はこういう人ってざらに居たような気がする。いわゆる「良心的なお店」ってやつで。
コンビニやスーパーじゃ、とても真似できないことなんじゃないかなあ。

2007/6/5



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